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さよなら、私が愛した妄想

現実と妄想の狭間で

定食屋のおばちゃんが教えてくれたプレゼントで意中の女性を落とすのは不可能だった

日記

昔から気の利いたプレゼントが見つけられず困っている。特に女性の場合、何を買えば正解か分からずに街を彷徨っては、答えを見つけられずに家に帰ったことは一度や二度ではない。

今思えば日頃から相手が何を貰ったら喜ぶか?どういう趣向か?なんて微塵も考えずに生きてきた罰なんだろう。プレゼントを買う頃になって慌てるようでは遅いのだ。

大学一年の頃、付き合ってた彼女の誕生日に近所の文房具屋で見つけた30色入りの色鉛筆をプレゼントした。新作の色鉛筆。なんなら自分が欲しい色鉛筆。渡した瞬間、シーンとなったので、間髪入れずに「30色もあると便利だよね」なんてフォローしたけど、それがキッカケ?かは分からないが振られた。『できれば色鉛筆返してくれないかな?』とは言わなかった。(言いたかったけど…)

 

月日が経過し、新卒で入社した会社で試される時がきた。相手は当時いいな〜っと思った同期入社のYさんだ。何度か話すうちに打ち解け、一度お台場へデートしに行く事へ。

今回ばかりは失敗したくない…そんな私にアドバイスをくれたのは、当時住んでいたアパート近くの定食屋のおばちゃん。おばちゃんは仕事のこと、サッカーや映画の話も嫌な顔せず聞いてくれた優しい方。不思議なんだけど、何故かこの人に話せばヒントを与えてくれるような気がしていた。

「今プレゼント選びに困ってるんですよね」と素直に打ち明けた。おばちゃんは少しの沈黙後にこう言った。

「チョッキとかどう?」チョッキ?ベストのこと?一瞬混乱気味になったので、一度確認を取ってみた。「どういうチョッキですか?」すると「ポケットが5〜6個付いてて、、、」あっ、、この人釣り用チョッキを考えてるわ。。。

しかし、普通に考えれば「んな訳あるか!」で終わるとことですが、当時切羽詰っていたこと、また「これが今のベスト」なんてクソ寒いネタまで思いつき、そもそもこれからの人生で釣り用ベストを渡す男っていないんじゃないか?と、なぜかポジティブに考えてしまった。

そして、週末の休みを利用して上州屋へ行き、ベストを物色していると赤いベストが見つかった。形としてはこんなの。 

これなら似合うだろうと、何も疑いもせずに購入したが、Yさんに渡す前日、我にかえってしまった。「こんなん喜ぶわけないわ。。。」

笑いを取りたいのかSさんを射止めたいのか?釣用ベストだと【ネタ9:気持ち1】とフザケているようにしか見えない。しかし、もし成功すれば伝説に残る。。。

もうやるしかねえ。
覚悟は決まった。

Yさんとのデート当日。リボンもラッピングもせず、上州屋のビニール袋に入れたままバックに詰め込み、お台場へ向かうため新橋で待ち合わせる。彼女と会ってお台場まで行き、少し高めのレストラン、そして一緒に海を見る。うむ。我ながら完璧なデートコース。そして満を持して「これプレゼント」とベストを渡した。

「え?上州屋?釣り?」そして、、、シーン、、、
※渡した直後に出来る正しい間の埋め方を知ってる人は連絡をください。

「え?釣りやろうってこと?」
「うん、、まあそうだね」
「アソー君釣り好きとか言ってたっけ?」
「いや…」

今なら自分の竿にリボン付けて「竿はここにあるよ」や「ルアーは君次第で無限大」なんてオシャンティーな上ネタを被せられるが、当時はまだ経験値が圧倒的に低く、ナニも言えなかった。せっかくのムードは打ち壊してしまい、その日はナニもなく終了。

 

凹んだまま帰りに定食屋へ寄り、おばちゃんにベストを渡し「ダメだったよ…」と伝えると「これは釣りのベストじゃん笑。アンタ馬鹿か?アッハッハハッ!」。。。おい。

おっちゃん曰わくあの日は週に一度訪ずれるベロベロに酔った日だったらしい。いや、そもそもおばちゃんに罪は一切ない。お台場まで行ってベストを渡して、笑いも彼女もゲットしようとした自身の詰めの甘さであり青さであり。

その日の晩「今日はありがとう!またご飯食べに行こうね〜」とメールしたが返信はなし。翌日は会社でもよそよそしく、確実に避けられていた。その後Yさんは部署異動し、社内でもあまり顔を合わせなくなる。知らぬうちに彼氏もでき、チャンスは0となった…

 

プレゼントは難しいね。。。

 

今回自らの黒歴史を暴露してまで伝えたかったこと。それはここぞという時のプレゼントに釣り用のベストじゃ意中の子は落とせないよという警鐘です。

プレゼントはしっかりリサーチし、好きな子のことも調べておきましょう。こればかりはどうも「オーケーグーグル!」でもダメみたいだから…

ちなみに、Yさんが受け取り拒否したベストは、その後実家で母が5年間も着てくれました。

めでたしめでたし。。